妊婦さんの“食“とは?
■ ご妊娠おめでとうございます!
あなたとあなたのお腹の赤ちゃんが元気にスクスク育つ、そんな食の情報をこのページでお伝えします。
まずはじめに知っていただきたいことをごく簡単にお話しします。(詳しい内容は『妊婦さんの「食」読本』にも書いています。いつでもダウンロード可能なので必要と思われた方はご覧下さい。メルアドもお名前の入力も必要ありませんヨ)
■ なぜ、食が大切なのか?
食事は身体を作ります。だから大切なのが食の改善です。
でも判っているようで誤解が多いのも食です。あなたが納得のできる食に巡り会い赤ちゃんにとって最適な環境作りができることを応援していきたいと思います。
■ 大切なことはとてもシンプルです。
大昔から人間は子供を産み、育ててきました。それがとても難しいことなのであれば今まで生き残ってなかったでしょう。シンプルだからこそ受け継がれ、その結果今の私たちがあります。
試行錯誤を繰り返しながら築き上げられた知恵はとてもシンプルですがパワーがあります。

四季に恵まれ豊かな水を持つ国、日本。この風土に適し、根ざしてきた穀物は米です。湿気に強く、体を温めてくれる素晴らしい力を持った食べ物です。草の種である穀類は、湿気でふやけた細胞を活気づけ、次の命を養います。米は栄養学では分析できない未知成分を含んでいて、私たち日本に生きる者にとって、かけがえのない食べ物なのです。
何かと誤解の多いお米ですが、お米にはすごいパワーがあります。単なる炭水化物の固まりで、ダイエットの敵とさえ思われているお米ですが、本当は豊富な栄養素を含んだ非常に優れた食品です。日本中で栽培され、遠い昔から私たちの命を支えてきてくれました。
もしお米(ご飯)を食べないとすると、あなたは何を食べますか?
パンやパスタやサラダなどでしょうか?これらはバターやマーガリン、食用油、ドレッシングなどの油脂類を一緒に食べなければ満腹感を得ることができません。
それとも肉や乳製品などでしょうか?これらはそのものが脂肪分ですね。
| その点、お米の主成分であるデンプンは非常に優れたカロリー源です。カロリーへの変換効率が良いばかりでなく、ゆっくりと消化され血液にのって体中に行き渡ります。ここでは詳述しませんがこのゆっくり行き渡るのがあなたにとっても、赤ちゃんにとっても素晴らしいのです。 ここでお米の断面図を見てみましょう。今お話ししたデンプンを多く含んでいるのが真ん中の白い部分、胚乳です。普段食べている白いご飯はこの白い部分だけを削りだして食べているものです。 | ![]() |
実はお米の素晴らしさはこのそぎ落としている部分にさらに多くあります。いろいろな栄養素を含み、食物繊維も豊富に含んでいます。
妊婦さんにとっては
・たくさんの栄養を含んでいるので多種類の副食(おかずのこと)を摂らずに済む。それだけ食べる量も減るので肥りづらい
・ご飯でしっかりカロリーを摂れるので、油脂類で満腹感を得る必要がなくこれも肥満防止になる。
・身体を温める作用があるのでお腹の赤ちゃんに優しい
・パン、パスタ、その加工品と違って添加物や化学調味料が入っていないので、それだけでもお腹の赤ちゃんにとって安心
・油脂が少なくて済むので洗い物も洗剤なしで大丈夫。経皮毒が問題視される中で洗剤を使う機会が減るのはうれしい
まだまだあるのですがこれくらいにします。
さて、お米の削っている部分に栄養が多く含まれているとお話ししました。もみ殻を取っただけで皮がきちんと残っている状態を玄米といいます。
この状態で食べるのがベストなのですが、実は白米に比べると随分噛みごたえがあり、炊くのも白米よりも難しいと言われています。この理由により慣れないとなかなか常食できるものではありません。
ただでさえお腹に赤ちゃんがやってきて体調に変化のあるあなたにお勧めできるものではありません。
お勧めするのは糊粉層までが残った7分搗き米です。食感も炊き方も白米と変わらないのに、栄養価は白米とは比べものになりません。お米屋さんの他にも生協や自然食品のお店で売っていますのでお試し下さい。
また雑穀を混ぜて炊くのもお勧めです。これも食べ易い上に栄養のバランスがとれています。キビやヒエ、押し麦などいろいろ試してみると楽しいですよ。
後からも出てきますが、やっぱり日本人にとって何よりからだにやさしいのはお米です。お米中心の食事でお腹の赤ちゃんが喜ぶ身体作りをして下さいね。

旬の野菜にはそれぞれの季節に役割があります。
うまくできているもので、私たちの身体のサイクルにピッタリ合致して成長してくれます。
後で詳しく話しますが、野菜が身体によいことは周知のことですが摂り方を間違えるとかえってあなたにもお腹の赤ちゃんにも負担をかけることになりますので、注意しましょう。
まずは四季の野菜が持つパワーをざっくりとお話しすると、
【春】冬の間縮こまって、動きも鈍っていた身体を目覚めさせる力を持っています。アクや苦みといった刺激で身体を起こすのです。山菜やタケノコなんてとても春らしい野菜ですね。
【夏】活動の夏です。野菜は急激に大きくなりますがみずみずしい野菜が多いですよね。汗をかいた人の身体に水分とビタミンミネラルをたっぷりと供給してくれます。その上ほてった身体を冷やしてくれる性質を持っています。(これを陰の性質を持つといいます。)。キュウリやナス、トマトなどが代表的ですね。
ここで注意したいポイントですが、夏の野菜は身体を冷やす性質を持っているということです。
夏野菜は年中売っていますが身体を冷やす性質を持った野菜を冬に食べると必要以上に身体を冷やしてしまいますよ。
【秋】収穫の秋ですね。カロリーの多い身体を肥らせる力を持った野菜が多く採れます。食料が厳しく、身体を動かす量も減ってしまう冬に備えて身体を肥らせるのです。だからこの時期少々肥っても自然の摂理に沿っていますのであまり深刻にならないで下さい。(といっても食べ過ぎには注意して下さいね。)
野菜としてはまずはお米。そして芋類や木の実など栄養価の高いものですね。
【冬】寒くてじっとしている機会が多い冬には身体を温めてかつ身体に負担をかけない消化の良いものが多く採れます。(身体を温める性質を陽といいます。)
白菜や大根などの野菜が採れます。

こうして野菜にはそれぞれの季節に合わせた素晴らしいパワーがあります。
このパワーが身体の働きを助けてくれるので身体を健康に保つことができるのです。
野菜を採りましょうといって、年中トマトやレタスを食べるのは要注意ですよ。それにサラダは実はあまり量を食べられないだけでなく、“ドレッシング”という油を食べているということです。油は肥る原因になることは皆さんよくご存じですが、身体を冷やす性質(陰性)を持っているということはあまり知られていません。
夏野菜+ドレッシング=冬場はあなたもお腹も冷やすので注意して下さい。
もう一つ旬食の良いところをお話しすると、旬の野菜は安いということです。
旬の季節以外に作るからハウスで囲ってストーブを焚いてというようなコストが必要ですが、旬ならそれは不要です。元々その季節に生えるようになっているからです。

食べると言うことは他者の生命をいただいて、自らの生命に変換している行為に他なりません。
生命とはパワーです。野菜も野菜以外も一番パワーを持っているのは生きて成長している時ですが、その時の状態を考えてみて下さい。野菜でいえば当然葉もあり根もあります。皮もあれば種もあります。
そうした総て揃った状態だからこそ生きていくことが可能であるということで、その状態が一番バランスのとれた状態であることが理解できます。
野菜に限らず自然に存在するものはいずれもそのもの自体でバランスがとれています。同時にそれを含む自然、宇宙全体もバランスがとれています。
だから自分の身体に摂り入れるときにも極力バランスを保っていた状態で食べることがとても大切です。
ここで二つの視点で同時に考えます。
●まずは食材単体。自然にいた時とできるだけ同じ姿、すなわち皮も根も含めた全体を摂ることでパワーのロスを防ぐことができます。(これを一物全体食といいます)
●もう一つは食材同士のバランスを考えて調理すること。
上の旬食の項でお話ししたとおり食材にも身体を温める「陽」の性質か、冷やす「陰」のどちらかの性質があります。
調理する時には一つの鍋の中で「陰」「陽」お互いの性質を作用させ合うことによって、よりそのパワーを高めることができます。
陰、陽という正反対の性質が新しいものを産み出す考え方を陰陽論といい古くから伝えられています。天と地、光と陰、善と悪などがそうです。何より解りやすいのは男と女という反対の性質が交わらなければ新しい生命は誕生しません。
このようにお米を食べる、旬の野菜を食べるのと同じ位大切なのがどのように調理して食べるかということなのです。
きっちんすまいるではこの「陰」と「陽」の考え方を料理に活かした「陰陽調和料理(いんようちょうわりょうり)」をお伝えしています。
パワーを高めるという効果だけではなく、同時に美味しくしてくれるし、硬い根菜は柔らかく、歯ごたえを楽しむ葉物はシャキシャキにしてくれる効果もあります。
まさに陰陽の調和がもたらす不思議です。

いずれの国の食文化も壮大な時間をかけた知恵と経験の結晶です。
言い換えれば食べられるものとそうでないものを見分け、どうすればより美味しく食べられ、どうすれば長持ちさせることができ、どうすれば健康を保てるのか試行錯誤を繰り返してきた、まさに人体実験の結果なのです。
私たち日本人も祖先が長い歴史を費やし私たちに知恵を残してくれています。
日本という気候風土にピッタリ合ったものだけが伝えられ、そうでないものは歴史の中で淘汰されてきたことでしょう。
私たち日本人がこうしてちゃんと生き残っていることが何よりの証明です。
せっかくの日本の知恵ありがたく使わせていただきましょう。
しかし、ここ数十年でそれらの知恵は崩れ去り、もしかすると私たちの世代を境にして次世代に伝わらないかも知れません。
折角使わせてもらった知恵は次世代にバトンしていきたいですね。













